ATR半蔵門では、クライアントの皆様の身体の症状を詳しく、かつ丁寧に評価させていただき、ゴールを設定し、そこへ辿る道筋を提案、ともにゴールを目指してゆきます。
もちろん「競技スポーツ選手」と「スポーツ愛好家」とでは目指すゴールは異なるかも知れません。
ですが、「ともにゴールを目指す」という方針に違いはありません。
アスレティック・トレーニングでいう「自分で自身の身体、体調をコントロールしてゆく」「セルフケア」という考え方をもとに、「我々も最大限努力する」、「クライアントの皆様にも個々の事情に応じた努力をいただく」、という「共同作業」的な部分が、ゴールを目指す上で欠かす事の出来ない柱であると考えています。
施設内は「トレーニングスペース」と、「治療スペース」に分かれており、ご希望、症状に合わせて「治療からスタートする方」「トレーニングによる改善を目指す方」を判断させていただきます。
「治療スペース」では、日本の医療資格を持つスタッフが施術にあたります。
両方のスペースのスタッフが、お一人お一人のクライアント様の状態を把握、情報共有し、より良い方策を提案、提供して参ります。 「トレーニングスペース」と「治療スペース」とが融合、一体化しアスレティック・トレーニングの考え方に沿って、皆様の身体の不調の改善を図ります。
私たちは今までに様々なレベルのアスリートに接してきました。
中でもトップアスリートと呼ばれる人たちは飽くなき勝利を追求し、己の限界を超えるべく日々壮絶なトレーニング積んでいます。生活のほぼすべてが競技力向上を軸にしたものになっているといっても過言ではありません。反面そのような生活は、否応なしにケガ起こす危険性(リスク)と隣り合わせになります。強度が低くては能力が上がらないが、やり過ぎればケガに繋がってしまう・・・最大限のトレーニング効果を出すラインとケガを起こしてしまうラインの境界線はとても微妙です。なぜならその日その時の調子(コンディション)によってその境目は常に揺れ動いているからです。心理的な影響も左右します。そのギリギリの部分を見極め、僅かな変化を逃さず選手にケガを起こさせないように対処をしていく、という緊張感あふれる現場・・・加えて日々のトレーニングでの、出てきた問題に対処するだけでなく問題の芽を摘み取るために、選手やチームのために全力を注ぐが、同時に選手に対しても最大限の努力を求めていく・・・つまり「競技スポーツ選手の飽くなき勝利(限界)への挑戦と、ケガへの安全性を両立させる心身を維持するため、あらゆる対策を講じる健康管理のスペシャリストとも言えるのがアスレティック・トレーナーという職業です。
アスレティック・トレーナーの役割は、「ケガをさせないこと(予防)」に最重点を置きますが、実際はどうしてもケガが起こってしまいます。そうなってしまった場合「早く」かつ「安全に」そのスポーツに復帰アスレティック・トレーナーことや、復帰した後も同じケガを「繰り返さない(再発予防)」ことがとても大切になります。このようにアスレティック・トレーナーの具体的な業務は、主に以下のようになります。
アスレティック・トレーナーが行うこれらの業務を総称して「アスレティックトレーニング」と呼ばれています。ここで多くの方が誤解されるのですが、「トレーニング」という言葉が入っているため、アスレティックトレーニングを何かのトレーニング方法の一つと思われる方もいらっしゃると思います。ですがそうではなく、先ほどお伝えした通り「競技スポーツ選手のケガの予防をはじめとする健康管理に関するあらゆる方法への総称や概念的なもの」とご理解いただければと思います。ATR半蔵門では、その中でも
・予防目的で行うトレーニング(エクササイズ)
・自己管理能力の啓蒙と教育
を重要視しています。なぜなら「予防」とは「必要なもの(こと)」をいかに「継続」して「行動する」かに掛かってくるからです。そしてその「必要なもの(こと)」を決めるには「見立て(評価)」が必要となり、それを継続して行動してもらうには、「納得と理解」が欠かせません。
これを無視して選手との良好な信頼関係は築くことはできず、満足する結果は得られません。そのため時にはアメを、またある時にはムチを駆使しながら選手に接してきました。また選手によっては知識や経験を豊富に持っている場合があり、アスレティック・トレーナーは日々その知識や技術を磨き続けていかなければ一目置かれる存在にはなれません。
ある時こんなエピソードがありました。
アスレティック・トレーナーとして活動していると、結構アスリート以外の方からも身体の事や痛みのことで相談を受けることが多くなってきました。ある時ちょっとしたご縁から相談を受けた方の状態をチェックさせていただく機会を頂きました。その方はいくつかの所で診てもらっていたようなのですが、あまり調子が良くなかったそうです。お話を伺いながら状態をチェックさせていただいた時に気付いたのは、痛めた部分やその近い周囲のへのアプローチは行われていても、より広範囲な部分や全身的な姿勢の関する筋力や柔軟性についてはほとんど触れられておらずそのままにされてしまっているという事実でした(患部や日常動作に悪影響を及ぼしてしまっていると思われるレベルなのに)。恐らくそれが原因でなかなか痛みから解放されない・・・その方には、今の身体の状態をご説明し、ほんの2、3のエクササイズとセルフケア方法をお伝えしましたところ、その方がせっせと続けてくださった甲斐もあり、その日を境に徐々に改善されて行き、日常生活に支障がなくなるまでそれほど時間は掛かりませんでした。その方にとても喜んでいただけたことはとても嬉しかったのですが、どちらかというと複雑な心境でした。そしてその時痛烈に感じたのが
的確な見立て(評価)
本人の理解
必要なエクササイズ(セルフケア)の継続
この3本柱がいかに大切か、ということの再認識です。
この時は、たまたまうまくいってだけなのかもしれません。ですがそのうち「ひょっとしたらもっと悩んでいる方が多いのではないか」、「アスリートだけに接しているだけでいいのか」という疑問が沸き起こり、やがて「もっと自分たちの活動の場を広げて行き、身体の不調に悩む方たちの役に立ちたい」という気持ちが強くなり、それを形にしたのがATR半蔵門なのです。
アスリートに対する方法というのは、どちらかと言えば極端なものかもしれません。日常的に運動習慣のない方でしたら、そこまでの方法ではなくても十分効果を感じていただくことが出来ます。しかしそのプロセスである
見立て(評価)
理解(納得)
エクササイズやセルフケア(自己管理)の継続
に変わりは在りません。
ATR半蔵門では、こちらから一方的に押しつけるということは致しません(状況によりますが)。私たちが大切にしているのは、こちらからの「見立て(評価)」と、あなた様の「理解(納得)」と「ご自身によるエクササイズやセルフケアの継続」です。そして最終的に私たちが望むのは、「ここに来なくても自分で何とかやり繰り出来る身体を手に入れる」です。
ATR半蔵門では、知識・技術・経験ともに充実したスタッフが、あなた様の身体の特徴を細かく念入りにチェックし、「何が必要なのか」、「どうしていけばいいのか」、「何に気をつければいいのか」の案内役として一緒に寄り添っていきたいと願っております。
平均寿命が90歳前後になっている現在の日本で、体力低下による行動力や気力の損失は一体どれだけ大きいのでしょうか・・・国民一人当たりの医療費がほぼ毎年増加し続けている現在(2011年度では約28万円)、その削減にもまた力が注がれています。またリラクゼーション目的の施設も増えてきています。今まで以上にストレスを感じやすいであろう現状では、それらが効果的なのも頷けます。しかしこれからどんな不安定な社会が待ち受けているか分からない状況で、もっと自分の身体のポテンシャルを上げておく必要はないか?という問い掛けも生じてきます。体力の向上は、そのままストレスへの抵抗力に繋がってきますし行動力の源となります。もちろん高齢になってからでもトレーニング効果は発揮されますが、それよりもっと前に動きたいように動ける力や柔軟性を手に入れておけばもっと快適な生活が望めるはずです。2011年3月11日に東日本大震災という想像を絶する災害が起こり、社会全体に元気がなくなってきてしまっているような雰囲気が感じられます。
このような状況を打破するために、今私たちアスレティック・トレーナーが、あなた様と一緒に身体を動かすことの愉しさや効果をお手伝いし、日本人の内より沸き起こるエネルギーを溢れ出させるために担える役割は非常に大きくなっていると考えます。より良く、より快適に、よりしなやかな身体を手に入れ、不自由ない生活を送れるような社会づくりの一端を担えることが出来たなら、私たちにとって望外の喜びです。そんなことを成し遂げられるよう日々自分たちの力を磨きながら過ごしていきます。